乾癬(かんせん)
れ乾癬(かんせん)は、皮膚が赤く盛り上がり、その表面に銀白色のフケのようなカサカサ(鱗屑:りんせつ)が付着してポロポロと剥がれ落ちる慢性の皮膚疾患です。この病気は周囲の人にうつることは決してありませんが、見た目の変化や強いかゆみによって、患者さんは日常生活で人目を気にしたり、精神的なストレスを感じたりすることが多いのが現状です。東京都墨田区の清水皮膚科医院では、日本専門医機構認定 皮膚科専門医である女性医師2名が、患者さん一人ひとりの不安に寄り添った診療を行っています。東武スカイツリーラインの曳舟駅から徒歩2分と通いやすい立地に加え、大学病院レベルの充実した紫外線治療機器を完備していることも当院の強みです。私たちは、単にお薬を処方するだけでなく、お薬の効果を最大限に引き出すための丁寧な塗り方指導を通じて、症状が落ち着いて日常生活に支障がない「寛解(かんかい)」の状態を目指すお手伝いをいたします。
乾癬(かんせん)の症状について
乾癬の症状は、患者さんによって現れる部位や程度がさまざまですが、典型的な特徴がいくつかあります。多くの場合、皮膚のターンオーバー(生まれ変わり)のサイクルが異常に速くなることで、未熟な角質が積み重なり、厚いかさぶたのような状態になります。
代表的な皮膚の症状
乾癬で最も多く見られる症状は、以下の3つの要素が組み合わさったものです。これらは全身のどこにでも現れますが、特に外部からの刺激を受けやすい部位に強く出る傾向があります。
- 紅斑(こうはん)・・皮膚がはっきりと赤く盛り上がった状態になります。
- 鱗屑(りんせつ)・・赤くなった部分の表面に、銀白色の細かいカサカサが付着します。
- 落屑(らくせつ)・・付着したカサカサがフケのようにポロポロと剥がれ落ちます。
症状が出やすい部位
乾癬は、物理的な刺激が加わりやすい場所に出やすいという特徴があります。これを「ケブネル現象」と呼び、健康な皮膚に傷がついた場所から新しく乾癬が発症することもあります。特によく見られるのは以下の部位です。
- 頭部(生え際など)
- 肘(ひじ)
- 膝(ひざ)
- お尻(腰まわり)
- 爪(点状のくぼみや変形)
かゆみと季節による変動
患者さんの約半数からそれ以上にかゆみの症状が見られます。かゆみの程度は人それぞれですが、ストレスや発汗、乾燥などによって悪化することがあります。また、乾癬は日光(紫外線)に当たると症状が良くなる傾向があるため、一般的に夏は軽快し、空気が乾燥して日照時間が短い冬に悪化しやすいという季節変動が見られるのも特徴です。
乾癬(かんせん)の原因について
乾癬の原因については、まだ完全に解明されていない部分もありますが、近年の研究により、もともと持っている遺伝的な素因に、さまざまな環境因子が加わることで、免疫システムに異常が生じて発症すると考えられています。
免疫システムの異常
私たちの体には、外部から侵入した細菌やウイルスを攻撃する免疫機能が備わっています。しかし乾癬の患者さんの体内では、この免疫を司る細胞(T細胞など)が過剰に活性化してしまいます。その結果、「サイトカイン」と呼ばれる炎症を引き起こす物質が過剰に作られ、皮膚の細胞が通常よりも何倍ものスピードで増殖し、炎症を起こして赤くなってしまうのです。
悪化を招く環境因子(リスク因子)
乾癬を発症させたり、症状を悪化させたりする要因は「リスク因子(りすくいんし)」と呼ばれ、日常生活の中に多く潜んでいます。これらをコントロールすることが、治療をスムーズに進めるための大切なポイントとなります。代表的な要因には以下のようなものがあります。
- 精神的なストレス
- 不規則な生活や睡眠不足
- 肥満や糖尿病などの生活習慣病
- 扁桃炎などの感染症
- 喫煙や過度の飲酒
乾癬(かんせん)の病気の種類について
乾癬は、症状の現れ方や範囲によっていくつかの種類に分類されます。多くの患者さんは「尋常性乾癬」ですが、中には関節に痛みが出るタイプや、全身に広がる重症なタイプもあります。適切な治療法を選ぶためには、自分のタイプを正しく知ることが重要です。
尋常性乾癬(じんじょうせいかんせん)
乾癬患者さんの約90%を占める、最も一般的なタイプです。「尋常性」とは「ふつうの」という意味です。皮膚の一部が赤く盛り上がり、銀白色のフケのようなものが付着して剥がれ落ちる、典型的な症状が繰り返されます。
乾癬性関節炎(かんせんせいかんせつえん)
「関節症性乾癬(かんせつしょうせいかんせん)」とも呼ばれます。皮膚の症状に加えて、手足の指の関節や背骨、かかとなどに痛みや腫れが生じます。放置すると関節の変形を招く恐れがあるため、早期発見と早期治療が非常に重要です。朝、手がこわばるなどの症状がある場合はすぐにご相談ください。
滴状乾癬(てきじょうかんせん)
小さな水滴のような赤い斑点が、全身に急速に広がるタイプです。子供や若い方に多く見られ、扁桃炎などの細菌感染(主に溶連菌)が引き金となって発症することが多いのが特徴です。感染症の治療を行うことで、比較的早く症状が治まることが多いタイプです。
膿疱性乾癬(のうほうせいかんせん)
皮膚の赤みに加えて、「膿疱(のうほう)」と呼ばれる膿が溜まった小さな水ぶくれが多数現れる、比較的稀なタイプです。発熱や全身のだるさを伴うこともあり、重症の場合は入院が必要になることもあります。
乾癬性紅皮症(かんせんせいこうひしょう)
乾癬の症状が全身のほとんど(およそ80%以上)に広がり、皮膚全体が真っ赤になった状態です。皮膚のバリア機能や体温調節機能が低下するため、重症化すると全身管理が必要になります。不適切な治療や薬の中断、強いストレスなどが原因で移行することがあります。
乾癬(かんせん)の治療法について
乾癬の治療は近年、飛躍的に進歩しており、患者さんの症状やライフスタイルに合わせた幅広い選択肢があります。私たちは、患者さんが納得して治療を続けられるよう、それぞれのメリットとデメリットを丁寧にご説明いたします。
外用療法(塗り薬)
乾癬治療の基本となる方法です。主に「ステロイド外用薬」と「活性型ビタミンD3外用薬」、あるいはこれらを配合したお薬を使用します。ステロイドは炎症を素早く抑え、ビタミンD3はお肌の細胞が過剰に増えるのを抑える働きがあります。
当院では、お薬の効果を最大限に高めるため、外用薬の塗り方指導を徹底しています。どの程度の量を、どのように伸ばして塗るのが理想的なのか、診察室で実際にお見せしながら説明いたします。塗り方を工夫するだけで、これまでの治療で効果が不十分だった方も、症状が大きく改善するケースが多くあります。
詳しい指導内容については「スキンケア指導」のページをご覧ください。
光線療法(紫外線治療)
特定の波長の紫外線を皮膚に照射し、過剰な免疫反応を抑える治療法です。当院では、大学病院レベルの優れた紫外線治療機器(ナローバンドUVB、エキシマライト、エキシマレーザー)を導入しています。特にエキシマレーザーは、肘や膝、頭皮などの治りにくい部分にピンポイントで照射でき、短時間で高い効果が期待できるのがメリットです。塗り薬だけでは改善しにくい方や、症状が広範囲な方に非常にお勧めの治療です。
光線療法の詳細は、こちらの「紫外線治療」のページで詳しく解説しています。
内服療法(飲み薬)
症状が広範囲であったり、塗り薬や光線療法だけでは十分な効果が得られなかったりする場合に検討します。免疫のバランスを整えるお薬や、炎症を抑える新しいタイプのお薬(PDE4阻害薬など)が用いられます。内服治療についての詳細は「内服治療」のページも併せてご参照ください。
生物学的製剤(注射薬)
炎症を引き起こす特定の物質(サイトカイン)を直接ピンポイントで抑え込む、非常に効果の高い治療法です。点滴や自己注射によって行われます。関節の痛みがある方や、他の治療でなかなか良くならない重症の方に適しています。高度な専門性が必要な治療であるため、当院で診断を行い、適切なタイミングで専門の病院へご紹介させていただきます。
乾癬についてのよくある質問
Q1. 乾癬は他の人にうつりますか?
A1. いいえ、決してうつることはありません。乾癬は細菌やウイルスによる病気ではなく、ご自身の免疫バランスの異常によって起こる皮膚の炎症です。温泉やプール、共同浴場などを利用しても、他の方に感染させる心配はありませんので、安心して日常生活をお過ごしください。
Q2. 乾癬は完治しますか?
A2. 現代の医学では、体質そのものを完全になくして「完治」させることは難しいですが、適切な治療によって症状が消え、全く気にならない状態(寛解:かんかい)に導くことは十分に可能です。治療を継続し、良い状態を長く保つことで、病気を忘れて毎日を過ごすことができるようになります。
Q3. 食生活で気をつけることはありますか?
A3. 肥満や糖尿病などの生活習慣病が、乾癬を悪化させることがわかっています。高脂肪・高カロリーな食事は避け、バランスの良い食生活を心がけましょう。また、過度のアルコール摂取や喫煙も症状を悪化させるリスク因子となるため、控えることをお勧めします。
Q4. 頭の乾癬がひどく、フケのように落ちるのが悩みです?
A4. 頭皮は髪の毛があるためお薬が塗りにくく、治療が難しい部位の一つです。当院では、ローションタイプやスプレータイプなど、頭皮でも塗りやすいお薬の選択や、シャンプー時の注意点なども含めてきめ細かくアドバイスいたします。また、ピンポイントで照射できる紫外線治療も有効ですので、ぜひご相談ください。
院長より
乾癬の患者さんは、長い間、皮膚の赤みや剥がれ落ちる鱗屑(りんせつ)に悩み、心に深い傷を負っている方も少なくありません。半袖になれない、美容院に行くのが恥ずかしいといった、日常生活の些細な制限が積み重なることは非常に辛いことだと思います。墨田区の曳舟駅近くにある私たち清水皮膚科医院では、そうした患者さんのお気持ちに寄り添い、少しでも前向きに治療に取り組んでいただけるよう、サポートいたします。
私たちの強みは、大学病院レベルの紫外線治療機器を備えていることと、何よりも「丁寧な外用指導」に力を入れていることです。どんなに優れたお薬でも、正しく塗らなければ効果は発揮されません。私たちは、患者さんがご自宅に帰ってからも迷わず正しく塗れるよう、実際の量や塗り方を丁寧に指導し、治療効果を高める診療を心がけています。
